減りゆく貯金…政府の工夫とは?
前回は、物価が上がると、お金の価値が下がり、損失が起こるという話でした。
でも、みなさんはこう思ったと思います。貯金したら損をするってわかってて、貯金するわけねーじゃんって。
そりゃそうですよね。損をするとわかっていて貯金をしようとおもう人なんていません。そこで、政府、銀行はある工夫をしているんです。
それぞみなさんご存じ「預金金利」なんです。
お金を預けた時、少しだけお金が増えますよね。それが、どれだけ増えるかなっていうのを表しているのが「預金金利」
預金金利というのは大きく分けて3つの目的のために行われているんです。
1,返済不能になるリスクを上回るメリット
銀行が、倒産などでお金を返せなくなって、お金をもらいっぱなしになっちゃう可能性もあります。その危険性があるのに、貯金しようとは思いませんよね。
そこで、銀行に預けると自分で持つよりもメリットがありますよって言う必要があるんです。
2,消費を先延ばしにする見返り
銀行は物価が上がりすぎても、下がりすぎても、国民の混乱を招くため、なるべく避けようとします。物価を作るのは皆さんの消費。その為、皆さんに貯金をしてもらったり、引き出してもらうことで、お金の使い方を調整しようとします。
買えるはずのものを買わない選択をした皆さんに「ありがとう」ってする為ということなんです。
これは銀行が景気を安定させる役割があるのに繋がっていくので、今度「銀行の役割」で詳しく説明します。
3,インフレリスクに対するカバー
インフレとは物価が上昇すること。インフレリスクとはインフレにより買えたはずのものが買えなくなるリスクのこと。
インフレリスクのカバーとは、皆さんが預金している間に物価が上がって、買えたはずのものが買えなくならないようにする対策のことです。
例えると
100万円預金してて、預金金利が5%なので、1年後には105万円。
その年、インフレ率も5%なら、100万円ものは105万円。
なので、買うことができる!ということです。
上記の3つを目的に行われています。
これらが、銀行が行うみなさんへの工夫です。
他だと、銀行や政府は、基本的にインフレがひどくなりすぎないようにそれぞれ金融政策と財政政策を行っていますが、(これも政府と銀行の役割で詳しく説明します)
インフレがひどくなろうがならまいが、少しでもお金が減ったら嫌だろう!というのが私たちの感想。
じゃあ、日本の銀行はどれだけカバーしてくれているのでしょうか。
日本の利息はなんと「0.1%」
アメリカで0.25%、中国で6%、ブラジルだと10.5%ということを考えると、低いといわざるを得ません。
しかも、日本のインフレ率は2015年から2019年まで0.79%、-0.12%、0.47%、0.98%、0.48%と変移しています。
インフレ率とは物価がどれだけ上がったかを表すものです。
プラスなら物価は上昇している、マイナスなら物価は下落しているということ。
あれれ、おかしいぞー?と名探偵が出てきそうではありませんか。
5年の内4年、インフレ率が0.1%を超えています。
つまり
100万円を預けていたら、一年で101万円になっている。
なのに、インフレ率は0.52%(五年の平均)より100万円のものは105万円。
はい、買えませんね。
おいおい、インフレリスクに対するカバーできてないじゃないかーい。
と、思われたと思います。
もちろん、インフレは悪いことばかりではないのですが、預けないで直ぐ買えば、買えたはずのものが買えなくなるのはいやですよね。
そこで、次回からはいよいよお金の増やし方です!
お金の増やし方にはたくさんの種類があります。ひとつひとつマスターしていきましょう!